プログラミングノート

忘れないためにプログラミングTipsをメモしていく。本当にメモ程度のこともあれば、かっちり書くこともある

国立新美術館 建築ツアー2019メモ

国立新美術館 建築ツアー2019 歩く・見る・知る美術館へ行った

今回、国立新美術館 建築ツアー2019 歩く・見る・知る美術館のマスターコースへ応募し、当選したため、ツアーへ参加してきた。詳しくはコチラ。その体験記をここに記そうと思う。

以下よりツアー参加メモ

湾曲する縦に伸びる鉄骨。マリオンと呼ばれるこの部分はガラスウォールを支えながら天井をも支えている。
パブリックエリアに支柱をなくすことで広い空間を確保する一躍を担っている。
また、このガラスウォールとマリオンの特徴として塩水のレストランに沿って湾曲していることだ。

展示室は全部で12部屋ある。それぞれの展示室は天井や壁面にコンセントやスイッチはない。すべて床下に埋め込まれている。空調についても下から吹き出し、天井から吸い出す仕組みだ。

この下から上への空気の流れにすることで、人間がいる部屋の下方を効率的に温度調節できるだけでなく、部屋下方の空気中のちりを低減することにも役立っている。(4分の1くらいになっている?らしい)
展示室は厚みが25cmもある可動間仕切り壁が配置でき、好きなレイアウト空間を作ることができる。

空気吹き出し口にも工夫があり、上に空気を出すのではなく360度の周囲へ空気を流すようにしている。

ロビー(パブリックエリア)へ戻る。
ロビーは吹き抜けとなっており、天井高は25mと非常に高い。

床材はウリンという木材が採用されており、重くて硬いその特徴からアイアンウッドとも呼ばれている。ワックス等をかけずともしっかりいて、また経年劣化も少ないそうだ。

上方にはレストランがあるこの円錐状の構造物。中には何があるだろうか?(そもそもなにもない(コンクリートでつまってると思っていた。)

実は中は厨房になっているそうだ。厨房とレストランの間にエレベーターがあり出来上がった料理を上方へ運ぶことで提供できる。空間を余すことなく使えていることに非常に感心した。
また、下へすぼむよう円錐にすることで一階のスペース(床面積)を確保することができている。

外側から壁を見る、マリオンが内側へ湾曲しているのがよく分かる。このようにすることで圧迫感を与えていない。

ガラスウォール(ファサードとも言う?)による立体感は、海岸線などといった自然の曲線を意識している。この外壁では 7500枚以上 のガラスを使用。
ルーバー(水平になっているガラス)には水玉がプリントされていて日射熱を低減させている。

ルーバーは清掃用ゴンドラを用いて手作業で清掃を行うが壁面ガラスは「スパイダー」の愛称をもつ自動清掃機械が清掃してくれるようだ。上画像の溝をレールとして降りてくるそうだ。(後半で再び登場)

国立新美術館免震構造になっているため免震装置により最大45cm地面と独立で移動する。ここは、その免震構造の吸収帯。稼働時、間の板はせり上がるようにスライドする。このような吸収帯は国立新美術館を囲むように全周に存在する。

入口前の建物。この大きな円錐状の天井は雨の日に車が横付けできるようになっている。中には傘立てが存在する。千本分収容可能。

ここは国立新美術館の別館だがその実態は旧帝国陸軍の兵舎。
実は、国立新美術館の土地は旧帝国陸軍の兵舎の土地であるそうだ。以下は帝国陸軍の兵舎と国立新美術館の建物を重ねた図。

赤で塗られている部分が国立新美術館別館であり、旧帝国陸軍の兵舎として遺された部分。現在は躯体はそのままに改修工事とを施し、多目的室として使えるようになっている(普段、一般の人は立ち入れない)

いよいよ、普段は入れない国立新美術館の裏側へ回る。

この道の地面の石材は旧帝国陸軍当時兵舎周辺の舗装として使われていたものの転用、稲田石とそうりいし?(聞き取り不鮮明)。現在では貴重な石材だそうだ。

野外展示場へ裏側から入る。ここにも免震構造特有の吸収帯が確認できる。

野外展示場

次に、国立新美術館の地下一階及びトラックバースと呼ばれる展示物等の荷扱スペースへ移動する。
一旦乃木坂駅へ入り地下へ向かう。

ここからしばらくは撮影禁止であった。 トラックバースでは横壁と天井との境目(スリット)によって別々に動くようになっており、免震によるずれを吸収できるようになっているところもあった。

展示物を受け取る地下から展示室をつなぐ貨物エレベータは静止時5250kg、昇降時3500kgの積み込みが可能。昇降開始時のゆれ、昇降中の振動は本当に少なく展示物への配慮が見られる。(フジテック製)

3階へ。3階にあるアートライブラリは15万冊の所蔵だそうだ。(かなりの量…)

カニカルウエハへ侵入。再び撮影禁止。空調、温冷水、電気通信設備が張り巡らされている。天井は低いが空調機械等も併設されている。ここは斜めの構造部材、トラス梁により下階の天井及び上階の床を支えている。鉄骨へは吹付けが施されており、耐火被覆と呼ぶそうだ。

パブリックエリアへ戻ってきた。パブリックエリアは暗くなるに従い徐々に明かりが灯り雰囲気が変わる。この壁面も光が灯っているが、1222本の蛍光灯が使用されている。

この壁面のルーバーはすべてを一列に並べると全長12kmにもなる。これらによって昼は開放感ある近代的な空間。夜は温かみのある空間となる。

最後に屋上へ向かう。 壁面清掃用のスパイダー(奥)とゴンドラ(手前)がある。また、奥のビルは六本木ヒルズ森タワー。この屋根の下はパブリックエリアである。

パブリックエリアと展示エリアの境目の直上より撮影

国立新美術館の屋上からは青山霊園の近いため高層ビル出ないにもかかわらず新都心方面が一望できる。

至るところに避雷設備としてアースが張り巡らされている。

夕焼け

最後にロゴの紹介。
これは佐藤 可士和さんによるデザイン。
展示室の可動間仕切り壁や開かれた空間をイメージしている。

以上。

おまけ、レストランを望んでα6000で撮影。